売掛金の発生と回収の仕訳

2019-08-15債権債務, Ladder2

自社が取り扱っている商品を継続的に買ってくれているお客さんのことをお得意様(得意先)といいます。企業は,これらのお得意様に対して,取引をこれからも継続してもらえるように様々なサービスを提供しています。

掛け取引(かけとりひき)は,このような取引を継続してもらうために提供されるサービスのひとつです。掛け取引とは,得意先に対して,販売した商品の代金を後でまとめて支払うことを認めることをいいます。このようなまとめ払いを認めることで,相手はお金の心配なく商品を購入することができるだけでなく,代金を振り込むときに負担する手数料などを節約することができます。

この記事では,はじめに掛け取引における取引の流れを見たうえで,商品を販売したときと代金を受け取ったときの仕訳について学習していきます。

なお,掛け取引の場合に買手側企業が行う仕訳については,別記事【買掛金の発生と決済の仕訳】を参照してください。

掛け取引における取引の流れ

商品の販売(発送)

掛け取引では,商品の代金が後でまとめて支払われることになるので,得意先に商品を渡した(発送した)時点では代金を受け取ることができません。企業は,発送した商品の種類や数,そして,それらの商品の価格をしっかりと記録しておき,後で請求できるように準備しておく必要があります。

代金の請求

販売した商品の代金は,一定期間ごとにまとめて得意先に請求します。代金をまとめる基準となる日のことを締日(しめび)といいます。企業は,締日までに販売した商品の価格をすべて集計して,請求書(せいきゅうしょ)を作成します。請求書には,請求金額のほか,販売した商品の種類や数,代金の振込先や振り込み期限などが記載されます。

代金の回収

相手に請求書が届くと,数日のうちに代金が振り込まれてきます。企業は,通帳記入をするなどして,振り込みが間違いなく行われたかを確認する必要があります。もし,金額が間違っていたり,振り込みがなかったりした場合は,得意先に問い合わせをして,正しく支払いがなされるようにしなあければなりません。

売掛金の仕訳

掛け取引を行った場合は,商品を販売したときと,代金を回収したときの2回に分けて仕訳を行います。

商品を販売(発送)したとき

通常,商品を販売して,代金を受け取ったときは,次のように仕訳を行います。

借 方 貸 方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
現金 30,000 売上 30,000

掛け取引の場合は,商品を販売したときに代金を受け取ることはありませんので,借方の現金勘定を変える必要があります。

今回のように掛けで商品を販売した場合は,現金勘定を売掛金(うりかけきん)勘定に取り替えます。売掛金勘定は,将来に回収する予定の販売代金を記録しておく勘定です。

借 方 貸 方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
売掛金 30,000 売上 30,000

代金を回収したとき

通常,普通預金口座に現金を預け入れたときは,次のように仕訳を行います。

借 方 貸 方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
普通預金 30,000 現金 30,000

しかし,今回は現金を預け入れたわけではないので,貸方の現金勘定を変える必要があります。

今回は,売掛金(まだ回収していない商品の代金)を回収したので,貸方は売掛金勘定に取り替えて,次のように仕訳をします。

借 方 貸 方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
普通預金 30,000 売掛金 30,000

なお,商品を売り上げた代金だからといって,貸方を売上勘定にしないように注意しましょう。売上勘定の記録は,商品を販売したときにすでに終わっています。代金を回収したときにも売上勘定を使ってしまうと,1回しか商品を売り上げていないのに,記録が2個あるというおかしなことになってしまいます。

まとめ

  1. 商品を継続的に買ってくれているお客さんのことを得意先という。
  2. 得意先に対して販売した商品の代金を後でまとめて支払うことを認める取引形態を掛け取引という。
  3. 掛け取引において,得意先から後日回収する予定の販売代金のことを売掛金という。
  4. 売掛金勘定の記録は,次のように行う。
    1. 商品を販売したとき → 借方
    2. 代金を回収したとき → 貸方